自営業は少しでも売上を安定させたいので、定期的な仕事、レギュラーの仕事は大変ありがたい。少々条件が悪くてもレギュラー仕事は受けるべきだ。その一方で非常に困るのは、そのレギュラー仕事が打ち切られるときだ。定収入の源として、どうしても依存してしまうため、無くなる時は痛い。精神的にもかなり痛い。せめて無くなる時に備えて心構えはしておきたい。
法則1:景気が悪くなる時になくなる
これは当たり前か。クライアントが予算を見直すからだ。お値引きの相談も増える。でも、お値引きしても、それはしばらく延命されるだけで、結局、その仕事はなくなってしまうことが多かった。あのバブル崩壊から10年くらい後の話。私のやっていた仕事では、異業種から参入してきた会社によって価格破壊が行われ、すでに下がっていた相場がさらに半額以下になってしまった。私もその仕事では価格破壊側の人間だったが、その私も慌てふためく安さだった。しかも、である。参入してきた会社自身、1年ほどで倒産してしまった。(我々の呪いで倒産したのかもしれないw)では、そのデストロイヤーが倒産したからといって、相場が持ち直すかというと、そうはならない。景気悪化時の報酬の相場は一度、値下がりのドライブがかかってしまうと、なかなか止まらない。それを念頭にうまく対応しないと、レギュラーの仕事を失うことになる。
法則2:実は景気が良くなる時にもなくなる
経験として景気が良くなるときもレギュラーの仕事は終わりやすい。やはりクライアントが予算を見直すからだろう。いつも安い店で食事をしていた会社員が昇給したりすると、今までよりちょっと高い店に入ってみようか、などと思う。業種にもよると思うが、安さを売りに営業していると、景気が良くなるときも要注意である。ある大手流通はネット通販用の商品撮影をいつも最安値の会社に発注していた。ところがネット通販が軌道に乗り始めると、予算が増えたのであろう。見積が一番安い会社には発注するな、という通達を出したらしい。写真のクオリティを気にし始めたのである。発注している最安値の会社に「儲かり始めたから値上げしていいよ〜」なんてことは言わない。切るだけであった。おそらく担当者もその最安値の会社の仕事のクオリティに不満を持っていたのだろう。景気が悪くなる時だけが危ない訳ではないのだ。
法則3:なくなると一番困る時になくなる
当てにしてた仕事がキャンセルになったり、思い切った設備投資をした直後だったり、とにかく、このレギュラー仕事がなくなったら大変だ、という時にこそ無くなるw よりによって今か!と思うのだが、どうしようもない。マーフィーの法則である。
法則4:自分ではどうしようもない原因でなくなる
自分が見てきた例を思い返すと、受注者側の落ち度でレギュラー仕事が無くなることは少なく、むしろ自分ではコントロールできない原因で終わってしまうことの方が多いように思う。例えばクライアントが合併し、外注先が整理されてしまった、とか、懇意にしていた担当者が異動してしまった、など。そうなると取るべき対策は、なるべくリスクを分散させること。お得意様は大事だが、そこからの受注が全体の30%を超えてしまうと要注意だ。
捨てる神と拾う神
レギュラーがなくなると、収入は減るが、時間はできる。これをリスキリングや営業活動でうまく使えれば、減収のピンチを新たな仕事をゲットするチャンスに変えられる可能性がある。「捨てる神」とは、次につながるチャンスを作ってくれるから、「神様」と呼んで感謝してもいいのだ。むしろ注意すべきは「拾う神」の方かも知れない。レギュラー仕事が突然無くなると焦る。焦っている時に新規の仕事があると思わず飛びついてしまうが、条件が悪かったり途中でトラブってしまったりすることがあった。どんな「神様」なのか、落ち着いて見さだめることも必要だ。